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もしかして発達グレー研究所~凸凹ハートの幸せを考えるブログ by QOLT

なじめない、生きにくい。そんな子達の青い鳥ドコー?志村!後ろ後ろ!

社会性取得の体験談1〜不安が強い、HSC、過剰適応、二次障害〜

【特別寄稿】
特性分析から実行機能の実装を成し遂げたあかねさんの貴重な体験談をお届け!
あかねさんおすすめのおばちゃん記事もあわせて活用して頂ければ幸いです。

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Twitterで、社会性取得を試行錯誤していた、あかねです。発達グレーさんのゆる支援について、ブログ掲載が実現しました!超長いですが、どなたかの参考にしてもらえたら、嬉しいです。

自己紹介 〜ASDとADHD併発〜

大人の発達障害が判明したのは、2年前。子どもの診断がきっかけで気づきました。診断名は、ASD、不注意ADD。ストラテラ(アトモキセチン)というADHDの薬を服薬中です。今回は、①特性の概要、②幼少期から障害診断されるまでの話、③どのように社会性を身に着けていったかについて、概要をまとめています。

私の特性・特徴 〜不安の強い不登校予備軍〜

発達障害ASDの概要は、前ページ参照↓

私はASDの中でも、アスペルガーや高機能自閉症と呼ばれていた、知的なしのタイプ。記憶に依存するタイプです。本人の中で、凹凸があるのが特徴で、数字、図形、文字、記憶に長けるものの(息子は5歳でかけ算ができる)、鍛えすぎると、コミュニケーションに支障が出てしまいます。凹凸はトレードオフですね。*1

一般的に、ASDは人に興味がないと言いますが、私は違います。人が好きで、人に認められないと死んでしまうのに、共感よりも正論・論理を優先してしまう、温かいロボットのような人間です。心は感情で繋がっているけど、認知や思考回路は論理的。承認が得にくく、自己肯定感が育ちにくいタイプですね。WISCだと、知覚凸処理速度凹。思考力が凸なため、数学や物理に強い。直感やイメージで考えることが得意で、私は、平面や3Dで考えます。例えば、子どものブランコを漕ぎながら、重さや速さをx軸y軸にプロットして思い浮かべたり。それを、日本語に直してから発言するので、反応が遅くなってしまいます。思考力が高い子は、ボーッとしている子が多いそう。

ASDは心の理論がないと言うけど、私は思考力でカバーして、空気は読めます。相手の動作や背景から、論理的に推測して、相手の意図を読みます。その際、私は感受性も強いから、相手に共感しすぎて、感情移入してしまいます(HSP、HSC)。その結果、自分を見失い、相手に極端に合わせてしまう…。私の性格は、過剰適応して不登校になりやすい、不安の強いタイプですね。成績優秀で、頑張り過ぎて燃え尽きる女の子事例の典型です。
次に、私の幼少期の話に移ります。

幼少期から診断まで

・幼稚園、小学生
私の幼少期は、ボーッとして、無口で、絵ばかり描いて過ごす子でした。大規模幼稚園に通うものの、自家中毒になって、入院を繰り返して…。田舎の小規模幼稚園に転園して、落ち着いたものの、小学校低学年の間も、吐きながら通っていた記憶があります。でも、休み時間に一人で絵を描いていたら、友達に誘われて、外遊びをするようになりました。これが、きっかけで、集団に加われるように。漫画やゲームで、友達とは繋がれましたね。ただ、一緒に登校する友達と、一言も会話なしという…。世界はTVをみている感覚で、自分の行動が、世界に影響を及ぼす感覚はなかったです。

・中学生、そして、思春期
中学校、思春期が最悪。*2 親が教育ママで、成績が悪いと親に殺されるくらいの恐怖でした(見捨てられ不安。私の受け取り方の問題かな)。*3 昼休みも登校時間も勉強をしていたら「ガリ勉君、真面目くん」とあだ名をつけられて、からかわれて…。摂食障害、依存症の二次障害がありましたが、知識がなかったので、病気とは気づかずでした。親には隠していました。仲間外れ程度のイジメもあったけど、もはや、被害者か加害者かも分からないです。謝る態度が出来ていなくて、怒られても、ただただ聞き流していました…。*4


・高校生時の社会性は最低
高校は進学校。特に問題もなく過ごしました。でも、高校卒業時点の社会性は、最低でした。

例えとして。ヤフコメでみた発達っ子の事例。
「お客様から受け取った書類を、未処理のまま隠し続ける→大問題に」
私も高卒で就職していたら、同じことをしますね。
【心理】書類を受け取る→処理方法が分からない→上司に質問するコミュ力も、自己肯定感もない→そのままにする→放置するとヤバいという発想もない→存在すら忘れる
仕事が分からないけど、聞き方も分からないし、怒られるのも恐いし、とりあえず置いておこう。その後バレて怒られても、「何でそんなに慌てているの?」感覚的に分からないんですよね。

勉強だけして、優等生を演じ続けた結果、人を頼ったり、相談する方法すら、身に着けられなかったです。*5


・社会性が伸びた大学生、そして挫折
でも、大学生で、転機が来ました。友達に誘われて入った部活で、責任者の子が仕事のできない子で。コツコツ型の私は、「なんて無責任な!私がやる!」と、やる気に火が着いて。人生で初めて、主体的に動けた瞬間でしたね。ラッキーなことに、部活のメンバーにASDっ子が多く、安心感があったから。部活の運営や、役員の仕事を通じて、最低限のコミュ力や仕事力を身に着けられました。研究室も同様です。ただし、過剰適応のストレスを、後輩に向けて、カサンドラにさせたという…。ストレスは、爆発しやすい場所で、爆発していましたね。そして、ASD文化に慣れ過ぎて、定型文化への免疫がつかず、入社後に盛大にコケました。

大学院にいって、企業の研究職として就職するものの、ダメダメでした。迷惑をかけて申し訳ない…消えてしまいたい…と、完全に罪悪感で病んでしまった。原因は、周りの期待に答え続けた結果、身の丈にも、自分がやりたいことにも合わない進路・仕事を選んだことだと思います。完全に無気力でうつっぽくて、人生で一番、精神的にヤバかった時期です。*6

その後、結婚退職し、出産して、息子の発達を疑ううちに、自分の障害に気づいて、今に至ります。ここまでが、2年前の話です。

発達障害グレーゾーン、拗れた原因

診断直後の自分を、社会性が向上した今、振り返って要約すると、

子どものころに優等生を褒められてきたので、模範を絶対正義として誤学習。模範的な目標を叶えるベストな方法が正解で、それ以外の道は間違えと信じる。子どもの頃のルール(相手の気持ちを考えなさい、人に迷惑をかけてはいけない等)を絶対ルールと信じ、それが守れないと自責して消えたくなる。
完璧主義のため、つねに意味のあることをしていないと、罪悪感に苛まれる。虚しさを埋めるために何かを達成しようとする(承認欲求の拗らせ)。しかし、理想が高く、自分が何者か分からないため、常に劣等感。煩雑な社会も理解できず、会話で何が地雷になるかも分からず、常に恐怖を抱いていた。

いつ潰れてもおかしく無い状況でした。


この時期の、具体的な困り感の例を挙げると。「今日は風が強いですね」の一言も怖かったです。(何でそんなこと聞くの!?風が強いなんて、見れば分かるじゃん!)って、意味不明で恐怖でした。私にとって、会話とは、情報交換や問題解決のツールだから。仕事の話しかできないオッサンですね。「元気ですか?」と聞かれたら、「風邪を引いて辛くて、本当なら寝ていたいです」と正直に答えていました。社会通念上の答えとは?全く知らなかったです。

私が知らなかったこと
・距離感、スルーする、社交辞令、お世辞、建前と本音、根回し…存在や概念すら知らなかった
・人の誘いは断ってよいこと(白黒思考で、断る=悪だった)悪の重さは、学校を休むこと、人を殺すこと、どれも同様の重さな白黒思考だった

こんな思考回路だと、何が起きるかというと。例えば、

私は支配的な人に不機嫌でコントロールされることが多かったけど、コミュ力ある人に利用されることも多かった。自己肯定感が低くて、真面目で、技術や情報を持つ人間って、ちょうどいいんですよね(テスト前にノートを貸してもらうとか)。それならそれで、手のひらでコロコロされていれば平和だけど、問題は、自分が下にみられていることは分かるのよ(意図は読めるから)。だから、敵or味方の白黒スイッチが入って、私がキレて関係が終わることが多かった。今なら、距離を置けばいいと分かるけど、距離感という言葉すら知らず、「お友達とは仲良く」を守り続けてきたから。
嫌だと感じても友達として仲良くし、相手を敵(友達ではない)と認識した途端、手のひらを返したようにブチ切れる。

本当に生きにくかったですね…。女子トーク以前の問題でした。

私が社会取得するまでにしたこと

自尊心の回復(尊重される体験)、発達障害や定型社会の知識を学ぶ(日常会話ができた途端、二次障害が収まった)
〜スタートラインに立てた感覚〜
性格診断で己を知る・自他境界・自己受容(感受性が減って、自分の感情が分かるようになる)、価値観の多様性を知る、足るを知る、身を亡ぼすものから距離を取る、人は弱い、外への注意力を上げる(思考の深さを浅くする)、綺麗事の呪を解くなど。

これらを掘り下げると膨大なので、最終記事にひとまとめにしています。↓


手っ取り早い、「社会性凹の根本原因と対処法」は、この記事が分かりやすい。*7

社会性を取得すればするほど、自閉の感覚は消えていきました。人と物と同等に並んでいる風景から、人を認識し始め、相手の目を認識して目で追うようになり、最後は、他人がいる世界に、自分も加わった感覚になりました。頭の中は、未来や抽象世界にぶっ飛んでいたけど、現実世界を生きるようになった感覚です。ここまでくると、恐怖や脅迫概念、不安や焦りはなくなりました。

居場所、役割、支援の作り方

今回、私の社会性取得が上手くいった理由は、Twitterや、当事者の会、児発の先生や子ども、支援者(おばちゃん)といった、「居場所」や「役割」、「サポート」を得られ、経験を積む試行錯誤ができたからだと思います。*8


実は、失敗例があって。私は自分の発達を疑ってからまず、発達支援センターにカウンセリングに行ったけど、これが最悪で…。私のような繊細なタイプは、精度の低い褒めを嫌うようです。正確さにこだわるので、本音ではない共感や褒めをされると、嘘つき!と感じて傷つき、やさぐれてしまいます。「大変でしたね〜」「私はあなたと話して楽しいですよ」など言われると、あなたに何が分かるの!?そう思う根拠は??と思ってしまって…。傾聴もされたけど、それも拷問でしたね。不登校予備軍の発達っ子に、学校が怖い理由を聞くのは逆効果*9 という心理と同じだったと思います。自分も怖い理由は分からないから、拷問で、過剰適応もあり、納得してないのに「はい…」としか答えられませんでした。最終的に、カウンセリングは止めました。


私が上手くハマった場所は、Twitterですね。自分の感情すら分からない状態だったから、当事者がたくさんいるTwitter上で、自分の気持ちを言語化(言葉に)しながら、おばちゃんからゆる支援者を受けられる形はベストでした。*10
言語化とサポートの2つは、すごく重要と思います。実際、「子どもと交換日記をして、気持ちを発掘させる」という方法が、治療でも使用されているそうです。*11

対応のコツは、思考力を解決策に割り振ること

定型の人は「人と話すと、新しい自分が発見できて楽しい」というけど、私は「どうやって自分を発見しようか?どうやって社会性を取得しようか?」と、難しい課題に取り組むほど、楽しくなる面があります。これはASDの中でも、思考するタイプ(思考民)の特徴のようです。

おばちゃんより。思考民への支援法

「(妥当な解釈に至れそうな)思考課題を与え、記憶をSearchさせます。
正論を与えると、彼らは穴を探し、反証を絶対真理として依存しがち。


例えば「友達と仲良くしなさい」→この対偶は「仲良くできない私は、友達ではない。もうダメだ、お終いだ!!!」となる。

その代わり、思考と記憶を使って導き出した解釈にはすんなり
「あー確かに」
ってなる機能があるので、これを利用して柔軟さを補います。(思考民は、自分で辿り着いた答えを良しとする傾向があります)*12

(実例)親の負担を最小限で、子どもが、失敗や困難から学べるようにする方法

解決法、打開策そのものではなく、見つけ方をパターン学習させます。
Twitterや交換日記のように、「思考力のせいでぐるぐる思考発生…これ疲れるね…書き出してみよっか」等。こうして、気づかずにクリアしてしまった小さな課題、小さな失敗、小さな困難に、あとからスポットを当てます。「そうか、あのとき失敗していたんだ。でも、大丈夫だったな」と、失敗にも意味があるとしみ込ませる一例です。(効果は個人差あり)

実践してみた。
私は文章化を繰り返すうちに、自分がストレスを感じるパターンが見えてきて、どうやって調整しようか考えられるようになりました。あと、感情に縛られるのは、合理的ではないと実感しましたね。「自分の行動が、合理的か否か」と問うことで、いつまでも落ち込むなんて非合理的。感情はコントロールして、すべきことをすべし!と、前を向けました。(整合性のある話、合理的な話は、本人に届きます)
そして、言語化を繰り返すうちに、新卒の会社で大きく挫折したけど、そのお陰で、目標を達成しても、必ずしも幸せになれるとは限らないと学べたな。と、過去の辛かった経験も、肯定できるようになり、精神的に安定していきました。


もし、学校や社会が怖くて辛い発達っ子がいたら、こうした特性にあったヒントや対応を得られたら、精神的に安定できるかもしれません。家で休んでいる間も「なぜこうなった?」と、無意識に解答を探して過去の記憶を反芻し続け、辛くなってしまうから。頭の中に、解答があるとも限らないのに。私は、おばちゃんに、壁に当たったときはヒントをもらえ、落ち込んだときは励ましてもらえて、乗り越えることができました。

後半に続きます↓


*1 正確さにこだる子。概要と生存戦略法。

*2 学力高い不登校女子の二次障害予防etc.

*3 優等生な過剰適応の子の思考力調整

*4ガールズトーク、禁断の三要素! 「嘘をつけない」 「正義感が強い」 「自分の価値観以外を尊重しない」

*5モチベーション次第で、知能は毒にもなる

*6「夢に向かって自由に」 という美しい子育て理念は、目標の調整能力の弱い、純粋な子、繊細な子、親思いの子を、まんまと淘汰に遭わせる冷酷な関わり方です。

*7社会性凹の根本原因と対処法

*8居場所づくりのコツ

*9学校が怖い理由と対策法

*10日記療法の臨床活用(交換日記)

*11自分の考えがおかしいと気づき始めると、自分の意見を言語表現することをひどく怖がり始めます。

*12思考民の特性。あまのじゃくな子への対応法。6章途中から、得意不得意の説明あり。


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